
【ニューヨーク時事】米国を訪れる外国人観光客の減少に歯止めがかからない。昨年は前年比6%減の6828万人と、5年ぶりにマイナスに転落。今年に入ってからも苦戦気味で、トランプ政権が導入した高関税政策で対米感情が悪化したことなどが影響したとみられる。根強い物価高も相まって観光消費も振るわず、経済に影を落としている。
商務省によると、昨年の国・地域別の訪問者数は、カナダが21%減の1601万人と最も減った。カナダ調査会社アバカス・データの調べでは、訪問を検討した市民のうち3割がトランプ大統領の態度などを理由に断念したと回答。トランプ氏が同国を「米国の51番目の州」とやゆしたことや、高関税政策で激しく揺さぶったことが米国離れを加速させた形だ。
ニューヨークを代表する名所タイムズ・スクエアを観光していた西アフリカのガーナ出身の留学生、ナタリー・アダムスさん(22)は米国が好きだとしつつも、「訪問を避けたい気持ちはある程度理解できる」と語った。トランプ政権が留学生への締め付けを強めていることに触れ、「いつ帰されるか不安だ」と懸念も口にした。
昨年はカナダのみならず、西欧も4%減の1258万人、日本を含むアジアも3%減の891万人と低調。宿泊費の高止まりが続く中、外国人旅行者による昨年の消費は前年比2%減の1385億ドル(約22兆円)だった。
世界中から観光客を集める目玉イベント、サッカーワールドカップ(W杯)が米国などで今年6月から行われる。ただ、トランプ氏がイラン紛争など諸外国に対する強硬な振る舞いをやめなければ、対米感情は一段と悪化し、観光消費は期待外れに終わる可能性がある。
〔写真説明〕観光客らでにぎわうタイムズスクエア=24日、ニューヨーク
2026年04月01日 07時08分