
日銀が1日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業がプラス17だった。調査対象企業を見直した新基準を適用し、前回の昨年12月調査のプラス16から1ポイント改善した。改善は4四半期連続。半導体やデータセンターなど人工知能(AI)関連需要が堅調で、トランプ米政権の高関税政策に伴う影響も和らいだ。先行きは中東情勢の緊迫化による景況感の悪化が懸念される。
DIは、業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いて算出する。調査の回収基準日は3月12日。米・イスラエルのイラン攻撃開始から間もないことから、日銀は「今回の短観に中東情勢の影響は完全には織り込まれていない」と分析した。
大企業製造業では、16業種のうち9業種で景況感が改善。半導体関連需要がけん引し、非鉄金属、生産用機械、窯業・土石製品のDIが上昇した。一方、中東情勢の悪化を受け、原油価格が高騰しており、石油・石炭製品はプラス18(前回プラス36)、化学はプラス14(同プラス19)とそれぞれ悪化した。
大企業非製造業はプラス36と横ばいだった。価格転嫁が進展し、宿泊・飲食サービスはプラス34(同プラス16)と大幅に改善。ただ、人件費や燃料費の上昇が重しとなり、運輸・郵便や電気・ガスなどが悪化した。
中小企業は、製造業のDIがプラス7と横ばい。非製造業はプラス16(同プラス17)と2期ぶりの悪化となった。日中関係悪化に伴うレアアース(希土類)の調達難などを懸念する声も聞かれた。
先行きの景況感は、大企業製造業がプラス14、非製造業がプラス29といずれも悪化を見込む。エネルギー価格上昇によるコスト増が収益を圧迫する恐れが出ている。
〔写真説明〕京浜工業地帯越しに見える富士山=横浜市内(AFP時事)
2026年04月01日 12時58分