積極財政、揺らぐ信認=市場、円安・金利高で「警告」―骨太の方針



政府の経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」を巡っては、金融市場が円売り・債券売りで反応した。原案の文言が日銀の利上げへのけん制と受け止められたほか、成長戦略や食料品の消費税減税に必要な具体的な財源も示されず、財政健全化への本気度を疑う市場から「警告」を受けた格好だ。高市政権が掲げる「責任ある積極財政」への市場の信認は大きく揺らいでいる。

政府は6月末に公表した原案に、強い経済の実現には「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要」と明記した。これが、利上げに慎重な高市早苗首相の発言とも重なり、政府が日銀に緩和的な金融環境の維持を求めたと受け止められた。利上げの遅れが将来的なインフレ加速や大幅な金利上昇を招くとの懸念から、市場では円売りと債券売りが加速。7月9日には長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが、一時2.9%と約30年ぶりの高水準を付けた。

これを受け、城内実経済財政担当相は「誤解だ」と釈明に追われた。政府は「『安定的な物価上昇』の実現に資する適切な金融政策運営」と表現を修正。さらに日銀法第3条を脚注で引用し「具体的な手法は日銀に委ねられる」と追記し、日銀の自主性を改めて強調する対応に追い込まれた。

懸念は金融政策だけではない。政府は食料品の消費税減税や、2040年度までの戦略分野への370兆円超の官民投資を打ち出したが、肝心の財源は歳出改革や税外収入への言及にとどまった。さらに骨太方針から「財政健全化」の文言を削除。財政収支の改善よりも経済成長を通じた債務残高対国内総生産(GDP)比の改善を重視する姿勢を鮮明にし、市場の警戒感は強まっている。

「強い経済の構築と財政の持続可能性を一体的に実現する取り組みを進める中で、市場の信認を確保していく」。高市首相は21日の経済財政諮問会議などの合同会議でこう強調してみせた。しかし、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「文言修正という小手先の対応だけでは、政府の積極財政政策や日銀への政治介入への金融市場の懸念は払拭されない」と警鐘を鳴らしている。

2026年07月22日 07時02分

administration


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