
【ワシントン時事】米軍による連日のイラン攻撃を受け、ガソリン価格が1カ月ぶりの高値を付けた。全米自動車協会(AAA)は20日、レギュラーガソリンの小売価格が全米平均で1ガロン(約3.8リットル)当たり4ドル(約650円)の大台を再び突破したと発表。原油の供給混乱が長期化し、物価高が持続するとの警戒感から、市場では連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利上げを実施するとの見方がくすぶったままだ。
車社会の米国では、ガソリン高は市民生活を圧迫し、不満が高まりやすい。中間選挙まで残り3カ月となる中、物価抑制を最優先事項に位置付けるトランプ政権の支持離れが一段と進む可能性もある。
米イランが戦闘終結に向けた覚書を6月中旬に結んで以降、ガソリン価格は心理的な節目とされる4ドルを割り込んだ。原油価格が下がったことで、6月の消費者物価指数(CPI)伸び率は急減速。過度なインフレ警戒はひとまず和らいだ。
ところが、海上輸送の要衝ホルムズ海峡を通航していた商船をイランが攻撃したことを受け、トランプ大統領は今月上旬、イランとの停戦は「終わったと思う」と表明。米軍による連日の攻撃や、米兵死亡の報が続くなど中東情勢は再び緊迫化している。ガソリン店頭価格に影響を与える原油先物相場は19日、一時1バレル=85ドルを上回り、約1カ月ぶりの高値水準となった。覚書締結前の水準に逆戻りした形だ。
FRB高官からはCPI鈍化後も、利上げに前向きな「タカ派」発言が相次ぐ。ダラス連邦準備銀行のローガン総裁は「政策金利のわずかな引き上げ」が必要と主張。クリーブランド連銀のハマック総裁も「持続的な高インフレは、より大きな懸念となっている」と述べ、利上げ論に加勢した。同連銀のメスター前総裁は原油価格の再上昇を踏まえ「(年内に)利上げしなければならない」と予想する。
【時事通信社】
〔写真説明〕レギュラーガソリンが4ドルを超えたガソリンスタンドの価格表示=19日、米南部バージニア州
2026年07月21日 20時33分