「ICC脱退」米圧力に警戒=日本政府、締約国と連携



トランプ米政権が国際刑事裁判所(ICC)の締約国に脱退を促す方針を示したことを受け、日本政府が警戒感を強めている。実行に移されれば、「法の支配」を重視する立場から一貫して支持してきたICCの活動に影響が出かねず、唯一の同盟国である米国との間で板挟みにも遭う。米側の出方を見極めつつ、各締約国と連携して対処する構えだ。

「懸念を持って注視している」。茂木敏充外相は16日の参院外交防衛委員会でこう答弁。「米国が実際にどういう対応を取るのかを踏まえ、ICC、米国、他の締約国と意思疎通しながら適切に対応していく」と述べた。外務省関係者は「米側から今のところ具体的なアクションはない」と明かした。

オランダ・ハーグにあるICCは、戦争犯罪やジェノサイド(集団殺害)といった重大な罪を犯した個人を国際法に基づき訴追・処罰する常設裁判所。現在、所長は日本人の赤根智子氏が務める。締約国は日本を含め125の国と地域で、米国、中国、ロシアは加盟していない。

トランプ政権はICCによる米兵の戦争犯罪捜査やイスラエルのネタニヤフ首相への逮捕状発付に反発し、裁判官らに制裁を科してきた。ルビオ国務長官は13日に配信された米紙への寄稿で、米国の主権が脅かされているとの認識を示し、「あらゆる手段を用いて解体していく」と表明。圧力を強める姿勢を鮮明にした。

日本政府は今後の動向に気をもむ。外務省幹部は「先行きは不安だ」とした上で「トランプ大統領は発信しておらず、すぐには動かないのではないか」と指摘。別の政府関係者は「本気度が分からない」と語った。

今後は脱退を迫られる展開も想定されるが、ICCを支える方針は変えない意向。分担金の最大の拠出国であり、継続的に判事を輩出してきた。高市早苗首相は赤根氏と1月に面会した際に支援を約束しており、外務省幹部は「同調を求められても『はい、そうですか』とはならない」と強調した。

【時事通信社】 〔写真説明〕赤根智子

国際刑事裁判所(ICC)所長

2026年07月21日 12時48分


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