全東信破産、問われる与信管理=地域金融機関、金融庁が点検へ



破産手続きを始めたクレジットカード決済代行の全東信(大阪市)には、地方銀行や信用金庫、信用組合などが多額の融資をしていた。担保などで債権を保全できず、引当金を計上する金融機関も目立つ。事態を重く見た金融庁は、地域金融機関の与信管理について調査に乗り出す構えだ。

東京商工リサーチによると、破産申立書に記載された金融債権者は63社で、負債総額は1151億円に膨らんだ。大手金融機関が取引を縮小する中、多くの地銀や信金、信組が融資を続けており、金融庁関係者は「何を見て融資をしていたのか」と疑問を呈する。

債権額トップの近畿産業信用組合(大阪市)は全東信への融資について「一面的な1社への多額な与信供与ではない。融資を通じた中小飲食店への間接的な資金繰り支援に相当する」と釈明。だが、業界内でも「多くの信用組合が十分に与信管理できていないまま融資を続けてきたことは反省すべきだ」(関係者)との声が聞かれる。

金融庁は、金融機関の審査体制や融資先の管理方法が適切かどうかを点検する方針。経営の健全性に影響が及ぶような事態にはなっていないが、調査を通じて同種の大口の貸し倒れ発生を未然に防ぎたい考えだ。

債権者リストには、群馬県が地盤の東和銀行や三重県の三十三銀行など、地元の大阪府以外の金融機関も多く名を連ねる。東和銀は貸出金80億円のうち、担保などで保全されていない58億円について、2027年3月期に引き当て処理する。こうした「越境融資」は貸出先の実態把握が通常よりも困難とされ、リスク管理体制の在り方が問われそうだ。

〔写真説明〕大阪市中央区の「全東信」の本社ビル

2026年07月23日 07時06分


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