
【ワシントン時事】ハイテク分野で覇権を争う米中の応酬が激しさを増している。9月24日に予定する米中首脳会談まで約1カ月。トランプ米政権は、中国が大きなシェアを握る製品を狙い撃ちにした禁輸や関税を相次いで打ち出し、圧力を強めている。
米連邦通信委員会(FCC)は7月末、情報流出リスクなどを理由に外国製の人型ロボットの輸入を禁止した。念頭にあるのは、宇樹科技(ユニツリー)など圧倒的な市場シェアを握る中国勢だ。
これに対し、中国商務省は米国向けドローンの輸出管理強化で対抗。米国が新たな手段に打って出れば、追加措置も辞さないと警告した。
米政権はこのところ、分野別関税で中国を標的にしている。8月に入り、太陽光発電や半導体の主要原材料ポリシリコン製品に15%、ドローンには最大100%の高関税を突き付けた。いずれも高い市場シェアを持つ中国製品の締め出しが狙いとみられており、中国商務省はドローン関税の即時撤回を要求するなど反発を強めた。
元米通商代表部(USTR)高官は、両国の応酬が「大胆になっている」と指摘する。ただ、「双方が首脳会談を危うくする『一線』を越えない範囲でどこまで踏み込めるか探り合っているのだろう」とみる。
首脳会談を控え、駆け引きを続ける両国は、貿易安定化を図りたい思惑も併せ持つ。5月の首脳会談では、「貿易委員会」の新設で合意。国家安全保障上の脅威のない品目を対象に、互いに300億ドル(約4兆8000億円)規模で関税を引き下げる見込みだ。
ただ、元米高官は「戦略的な分野ではデカップリング(分断)を進めている」と分析する。対立と融和を繰り返してきた両国の応酬が、首脳会談を前にさらにヒートアップする可能性もありそうだ。
〔写真説明〕トランプ米大統領と中国の習近平国家主席=5月、北京(AFP時事)
2026年08月22日 20時32分