ネット基盤、弱点露呈=共通仕様依存にリスク―PHP問題



【ワシントン時事】世界に衝撃が走った。プログラミング言語「PHP」に脆弱(ぜいじゃく)性が見つかった問題は、社会に深く根付いたネット基盤を共通仕様に依存する構造的リスクを露呈させた。性能が急速に進歩する人工知能(AI)が弱点の発見・悪用を容易にする一方、安全確保対策が追いついておらず、標的とされた形だ。

「完全な被害軽減策はなく、更新が唯一安全な選択肢だ」。PHP開発チームは21日、修正プログラムを公開し、こう呼び掛けた。

世界のウェブサイトの約7割と広く利用されるPHP。各国政府や企業は一斉に、更新までの間のサイト閉鎖など対応に追われた。

欠陥公表前から狙われた形跡があった。米アマゾン・ドット・コムは21日、公表の4日前から複数の攻撃の試みを確認していたと発表。実際のウェブサイトで成功したかは不明としつつ、脆弱性が「現在広く悪用されている」と警鐘を鳴らす。AIによって修正前後の情報から弱点を突く攻撃手法を作りやすくなっているとして、公開後の対策も訴えた。

だが、防衛態勢は盤石ではない。米IT企業クラウドフレアのプリンス最高経営責任者(CEO)は、悪用の試みが修正前後で数千件から数百万件以上に増えたと表明。PHP財団は、安全対策が「少数の開発者とボランティアに依存している」と吐露する。

影響範囲の特定も難しく、欧州連合(EU)欧州委員会などは21日、「直接利用しているように見えなくても、影響を受ける可能性がある」と指摘。PHPが使われた旧システムが社会に広く残る点も大きな懸念だ。

欧州系調査機関のデータによると、PHPを利用するサイトの約半数が、開発元の保守が終了した旧版を使用。修正版は一部にしか提供されず、危険な状態で放置されている可能性がある。

多くのサービスが依存するネット上の共通インフラは、PHP以外にも存在する。今回のように脆弱性が突かれれば、影響は世界に及び、行政や金融、経済活動に大きな混乱を招く恐れがある。

〔写真説明〕携帯電話に表示されたPHP財団のウェブサイト(EPA時事)

2026年10月22日 20時31分


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