「維新カラー」で存在感狙う=閣内協力1カ月、自民は不満―高市政権



日本維新の会が閣内協力に転じて約1カ月が経過した。衆院議員定数削減など看板の「身を切る改革」をアピールし、単独で衆院議席の3分の2を占める自民党を相手に存在感発揮を狙う。ただ、維新が「高めのボール」を次々に繰り出すことに、自民は不満を募らせている。

「大きなアジェンダが進んだ。この1年は非常に大きな成果があったと胸を張りたい」。維新の藤田文武共同代表は21日の記者会見で、「副首都」創設法を念頭にこう強調。「自民は大所帯で歩みも遅い。だからこそ、私たちが政権のアクセル役となり、政策実現をけん引する」と宣言した。

維新は昨年の内閣発足時に高市早苗首相から入閣を要請されながら閣外協力にとどめたが、先の改造では幹事長だった中司宏氏を規制改革や行政改革の担当相に送り込んだ。姿勢を変えたのは、2月の衆院選で自民が大勝して首相の政権基盤が強化されたことや、政策実現には閣内に入った方が得策だとの判断があったとみられる。

中司氏は就任時の会見で、取り組むテーマとして一般ドライバーがマイカーを使って有償で客を運ぶ「ライドシェア」の全面解禁を挙げた。自民を伝統的に支持するタクシーの業界団体は、全面解禁に反対している。

また、維新は高齢者の医療費窓口負担を現役世代と同じ3割に引き上げるよう主張。21日から与党協議を本格化させた。自民は高齢層からの支持が厚く、維新は現役世代を重視している。

維新は安全保障関連3文書の改定を巡っても、国是の非核三原則の見直しを提唱。定数削減の実現も引き続き強硬に迫る。

こうした政策を打ち出すのは、巨大与党の中で埋没するのを懸念しているためだ。維新幹部は「自民と異なる政策にこだわる。自民が言えない政策を掲げないと、大阪の有権者に忘れられる」と率直に語った。

首相は政権発足に協力した維新に「恩を感じている」(閣僚経験者)とされ、要求に応えるようたびたび自民へ指示した。だが、自民内では不満や反発が広がっており、重鎮は「与党ならまずは政府の政策実現に全力を挙げてもらいたい」と皮肉った。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する日本維新の会の藤田文武共同代表=21日午後、国会内

2026年10月22日 07時05分


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