【ワシントン時事】米航空宇宙局(NASA)は22日、無人火星探査車「パーシビアランス」が米東部時間18日に着陸した際、搭載したカメラが捉えた火星地表や探査機自体の動画を公開した。火星地表の画像は過去の探査機が撮影しているが、着陸時の動画公開は初めて。
動画は、火星の大気圏に超音速で突入した探査車が、特製のパラシュートと逆噴射で減速しながら地表に到達するまでの約3分半。徐々に近づく赤褐色の地表と探査車本体が、複数のカメラで鮮やかに収められている。
NASAのジャージック長官代行は声明で、「パーシビアランスの任務は始まったばかりだが、早くも宇宙探査史上、最も象徴的な映像の一つを提供してくれた」と指摘。極めて厳しい環境での着陸成功を記録した意義を強調した。
また、パーシビアランスが着陸後、搭載したマイクで収録した音も公開された。収録は約60秒間で、探査車自体が発する音を消去すると、約10秒間にわたり風のような音が聞こえる。
ロイター通信によると、火星の内部構造解明を主目的に2018年に着陸した米探査機「インサイト」が、地震に伴う「地鳴り」を観測している。ただ、これは観測された地震波信号を音響に変換したもので、自然界の音が直接観測されたのは今回が初めてという。
〔写真説明〕米航空宇宙局(NASA)の無人火星探査車「パーシビアランス」に搭載されたカメラで20日撮影された火星のパノラマ画像=22日、NASAが公表(AFP時事)
〔写真説明〕18日、火星着陸のためパラシュートで降下する米航空宇宙局(NASA)の無人火星探査車「パーシビアランス」=NASAが22日公表した動画から(AFP時事)
2021年02月23日 16時03分