DNA型鑑定で身元特定=原爆死没者、供養塔の遺髪で―広島



広島市は15日、平和記念公園(中区)の原爆供養塔に安置された原爆死没者の遺骨1柱について、初めて実施した遺髪のDNA型鑑定で身元を特定したと発表した。遺族は「本当に良かった」と涙ぐみ、遺骨の返還を求める考えを示した。

身元が特定されたのは、13歳で被爆死した梶山初枝さん。納骨名簿には、存命の初枝さんの妹と似通った名前が記載されており、おいの梶山修治さん(60)=広島県府中町=が5月、「伯母ではないか」と問い合わせた。神奈川歯科大が市の依頼で遺髪と妹のDNA型を照合し、血縁関係にあるとして矛盾しないとの結果が出たという。

市は、要望があれば、今後も残された遺髪の鑑定を行うとしており、修治さんは「一人でも多く、遺族の元に帰れる状況につながれば」と語った。

〔写真説明〕約7万人の原爆死没者の遺骨が安置されている原爆供養塔の納骨室=7月16日、広島市中区の平和記念公園

2025年12月15日 19時01分


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