北陸新幹線、ルート再検討へ=「小浜・京都」含め8案―維新提起で方針見直し―与党



与党は15日、北陸新幹線の未着工区間(敦賀―新大阪)に関する整備委員会の初会合を開いた。福井県小浜市と京都駅を通る現行計画「小浜・京都ルート」の着工が京都府内の反発で見通せないことを考慮し、日本維新の会が提起する代替7案を候補に含め再検討する方針を決定した。2016年に当時の与党が同ルートを採用して以来9年ぶりの方針見直しとなる。

整備新幹線を巡り、与党が既に決まった方針を見直すのは異例。年明け以降、沿線自治体とJRにヒアリングを行う。国土交通省が算出する費用対効果なども勘案し、最適なルートを探る。建設が遅れるのは必至で、全線開業はさらに遠のいた。

与党の決定を受け、同省は現行計画に基づく26年度内の着工を断念する。

維新は現行計画に加え、代替7案を再検討するよう自民党に求めており、同党がこれに応じた格好だ。7案は、京都府亀岡市を経由する亀岡ルート▽滋賀県の米原駅で東海道新幹線に乗り入れる米原ルート▽米原駅で同新幹線に乗り換える米原ルート▽琵琶湖の西側に新線を引く湖西ルート▽JR湖西線を活用する湖西ルート▽京都府舞鶴市と京都駅を経由する舞鶴ルート▽舞鶴市と亀岡市を経由する舞鶴ルート―。

小浜・京都ルートは、自民、公明両党が16年に採用を決定。米原、舞鶴両ルートと比較した結果、乗車時間の短さや利用者の利便性などの点が評価された。しかし、京都府・市は建設工事に伴う財政負担や環境への影響に懸念を表明。現行計画での整備を前提とした議論は停滞していた。

【時事通信社】 〔写真説明〕福井市内を走行する北陸新幹線=2024年3月

2025年12月15日 20時39分


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