
2018年に死刑が執行されたオウム真理教元代表松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚=執行時(63)=の遺骨と遺髪について、次女が国に引き渡しを求めた訴訟の控訴審判決が5日、東京高裁であった。鹿子木康裁判長は一審東京地裁に続き、国に引き渡しを命じた。
判決によると、国は18年7月の死刑執行後、遺体を火葬して遺骨などを保管。次女側は「国に引き渡しを拒む権利はない」と主張し、国側は引き渡せばオウム真理教の後継団体や信者に利用され、公共の安全を害するなどと訴えた。
鹿子木裁判長は、次女が後継団体に遺骨を渡さない意向を表明している上、セキュリティー契約が結ばれた自宅の金庫で管理する予定で、保管態勢が適切さを欠くとは言えないと判断。遺骨の特殊性を考慮しても、引き渡し請求は権利乱用には当たらないとして国側の控訴を棄却した。
判決後、次女は「これ以上、父の遺骨を政治的にも宗教的にも利用されたくない。国には速やかに引き渡すことを求める」とのコメントを出した。
一審は24年、後継団体との関係や遺骨を悪用する意図は立証されていないとして次女側の主張を認めていた。
遺骨を巡っては家族内で争いがあったが、21年に次女を引き取り先とする家事審判の決定が確定していた。
国の話
判決内容を十分精査し、適切に対応する。
〔写真説明〕東京高裁=東京都千代田区(AFP時事)
2026年02月05日 18時32分