
自民党と日本維新の会による連立政権は、災害時に首都機能を代替し、東京一極集中の是正を図る「副首都構想」の実現を目指している。ただ、これまでの両党の協議では足並みがそろわないところも見られる。維新は副首都の役割を果たすためには、大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」の実現が必要だとして、衆院選に合わせて大阪府知事・大阪市長のダブル選にも打って出たが、維新を除く各党は対抗馬を擁立せず、議論は深まっていない。
◇与党の論点整理、先送りに
自民と維新の連立政権合意書では、副首都構想の実現に向けて「2026年通常国会で法案を成立させる」と明記。具体化に向けて、実務者による協議を続けている。
ただ、当初は25年中を目指していた論点整理は先送りされた。東京23区のような特別区の設置を副首都の要件に掲げる維新に対し、自民が都構想を前提とした主張だとみて折り合わなかったためだ。
維新は「我田引水」との誤解を受けているとして、衆院選の公約で、副首都の候補地を「大阪、福岡、札幌など」とし、大阪以外の地名も挙げた。ただ、自民を含め各党から目立った反応はない。
◇住民サービス維持、方策は?
一方、国民民主党は副首都構想の対案として、道府県から政令市に権限や財源を移して独立性を高める「特別市」制度の法制化を掲げる。参政党は、災害対応など危機管理の観点から「国の主要な機関が東京に集中している状態は危うい」として、国会など政府機関の移転を主張。共産党は、「都道府県の役割を骨抜きにする」として、特別市制度に否定的だ。ただ、こうした地方の「将来像」を巡る議論が注目されているとは言い難い状況だ。
地方では、人口減少に伴う公務員の成り手不足が深刻だ。将来的に住民サービスを維持するため、政府は今年1月、第34次地方制度調査会(首相の諮問機関)を発足させた。市町村の事務を国や都道府県が代わって処理するなど、役割分担の見直しを含めた在り方を検討し、2年以内に答申をまとめる。
与党だけでなく中道改革連合など野党も、権限や財源の移譲といった地方分権の推進を公約に掲げるが、既に職員の少ない市町村では、その担い手確保が困難な現実に直面している。各党には、住民サービスを維持するための具体的な方策が示せるか問われている。
【時事通信社】
〔写真説明〕第34次地方制度調査会の総会で、会長に就任した市川晃住友林業会長(左から3人目)=1月19日、首相官邸
2026年02月04日 07時04分