
男女平等度を示す「ジェンダーギャップ指数」(2025年版)で、日本は148カ国中118位にとどまった。こうした状況を「非常に残念」と話すのは、21年に女性で初めて連合会長に就任した芳野友子さん。背景には、男性は外で働き、家事・育児は女性といった「性別役割分業」の意識の根強さがあると分析する。ジェンダー平等の実現について見解を聞いた。
―男女格差が大きい。
経済分野はもっと本腰を入れる必要がある。女性の管理職比率は非常に低く、生え抜きの取締役も少ない。共働き世帯が増え、女性が社会に進出しているのに遅れているのは残念だ。
―有効な施策は。
日本は性別役割分業の意識や慣行が根強く、女性には「妻」や「嫁」、「娘」という役割がのしかかる。職場でもお茶くみとか雑務、営業でも補助的な仕事は女性がやるものといった具合に残っている。配偶者の転勤でキャリアが中断することが多いのも圧倒的に女性だ。職場だけでなく、家族内や地域全てで取り除かないと対等に活躍するのは難しい。
―ジェンダー問題への関心のきっかけは。
1990年代に参加した労働組合の国際組織の会議。(政策や組織運営など全てにジェンダー平等の視点を取り入れる)「ジェンダー主流化」という言葉を耳にし、国内とのギャップに驚いた。日本の労働組合は圧倒的に男性社会で女性の視点がないことに気付いた。当時、組合の発行物のイラストで男性は職場の平均的な年齢でも、女性は若くスカートも短め。おかしいよねと。
―選択的夫婦別姓や「年収の壁」への見解を。
生まれたときからその人を表すという点で「氏」は人権の問題であり、選択的夫婦別姓は生き方の選択肢を広げる。また、扶養の範囲の中で働いていると、年末に(働き方を)調整し、多くの女性がキャリアを中断してしまう。賃金を上げていき、(課税ラインや保険料負担を意識した)「年収の壁」も「第3号(被保険者)の壁」も無くして、しっかり働ける環境をつくることが重要だ。
―どのような社会を実現したいか。
連合の構成組織のあいさつなどに必ずジェンダーの視点が入るなど、多くの人が意識し始めたのは大きな前進だ。一人ひとりが尊重され、互いに認め合える社会を目指したい。
【時事通信社】
〔写真説明〕インタビューに応じる連合の芳野友子会長=2025年12月、東京都千代田区
2026年02月04日 07時06分