
京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などで一審で死刑とされた青葉真司死刑囚(47)が自ら控訴を取り下げたことを巡り、大阪高裁(伊藤寿裁判長)は17日付の決定で、取り下げを有効と判断した。
伊藤裁判長は、青葉死刑囚について「控訴取り下げの意義を理解していたことは明らかだ」と指摘。その上で、事件前から罹患(りかん)していた妄想性障害の影響について検討した。
裁判長は、死刑囚が「極刑以外はあり得ないし、裁判はできるだけ早く終わらせたい」と発言していたことなどを挙げ、「取り下げの意思決定過程に障害の影響はほとんど認められない」と判断。死刑囚が控訴審で自身の主張を「妄想と認定されて死刑になるより取り下げた方がよい」と考えることも、「不合理ではない」とした。
また、仮に障害が悪化していたとしても、取り下げ時には感情のコントロールができていたと指摘。「妄想性障害に罹患していたが、判断能力自体に問題はなかった」と結論付けた。
青葉死刑囚は2024年1月の死刑判決を不服として翌月に控訴したが、昨年1月、自ら取り下げた。弁護人が「一時的な衝動で死刑を確定すべきではない」などと、取り下げの効力を争う申し入れ書を同高裁に提出していた。
京都アニメーションの代理人弁護士は同日、「被害に遭った社員、近しい方々の無念を思うと心が痛むばかりだ。法の定めるところに従い、しかるべき対応をいただく外ないと承知している」とコメントした。
〔写真説明〕大阪高裁=大阪市北区
2026年03月17日 17時31分