延命終了巡り新指針案=4学会、緩和ケアを具体化―難病患者「拡大解釈の恐れ」



日本救急医学会など4学会が、延命治療を終了する際の判断手順を見直した新たな指針案をまとめ、今月下旬までパブリックコメント(意見公募)を実施している。新案では、患者本人の意向を尊重した意思決定の在り方を整理し、延命治療終了後の緩和ケアについても具体的に盛り込んだ。ただ、難病患者らは、治療終了の判断が拡大解釈される恐れがあるとして懸念を示している。

現行の指針は2014年、救急医学会と日本集中治療医学会、日本循環器学会の3学会で策定。救急・治療現場における「終末期」を定義し、患者の意思と医師などの適切な判断があれば、延命治療を終了できるとした。

その後、10年以上が経過し、医療技術の進歩で重症患者の生命維持が可能になった一方、患者の望む生き方と一致しないケースも出てきた。そこで、日本緩和医療学会も加わって全面的に見直した。

新案では終末期の定義は明記せず、治療を続けるかを患者や家族と話し合って判断するための手順を中心に整理。医師だけでなく看護師などの診療チームが十分に検討した上で、患者の意思を尊重し、確認が難しい場合でも事前の意思表示などを踏まえて判断するとした。

さらに、治療終了後も苦痛の緩和や家族への支援などのケアを続けることが重要だと指摘。検査などは最小限とし、心停止時は心肺蘇生を行わないといった具体的な対応も盛り込んだ。

一方、難病患者らは6日に記者会見し、病院や家族の都合で治療が終了されたり、対象者が拡大解釈されたりする恐れがあるなどと懸念を表明。筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の酒井ひとみさんは「生きる選択よりも死ぬ選択を推進するもので強い危機感を抱いている」と訴えた。

パブコメは27日まで。4学会は集まった意見などを踏まえて、正式な指針を取りまとめる予定だ。

〔写真説明〕点滴(イメージ)

2026年03月17日 20時30分


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