特殊詐欺被害金の追跡、迅速化=オンライン口座照会、即日も―主要銀行と協定締結・警察庁



特殊詐欺の被害回復や捜査の迅速化に向け、警察庁は28日、主要銀行9行と、被害金が振り込まれた口座からの資金移動を速やかに照会できる協定を結んだ。従来は数日~数週間要した手続きが、早ければ即日済むようになるという。

協定先は、みずほ、三菱UFJ、三井住友、りそな、セブン、楽天、イオン、SBI新生、ゆうちょの9行。6月1日から運用を始める。

同庁によると、被害金はマネーロンダリング(資金洗浄)などのために複数の口座を移動し、最終的に大口送金が可能な法人口座などに集約。海外に送られたり、暗号資産化されたりすることが多い。

これまでは都道府県警が金融機関に捜査照会書を郵送していたが、回答に数日以上かかる上、移動先が判明するたびに同じ手続きを踏むため、回収が間に合わないケースが多かった。

協定では、都道府県警が把握した被害情報を警察庁に集約し、オンラインで各金融機関に照会。金融機関は可能な限り早く送金先を回答する。速やかに次の照会につなげ、サイクルを速めることで、流出前に口座を凍結し、被害回復を図る考えだ。

警察庁は9行以外の金融機関にも参加を呼び掛けるほか、暗号資産の取引業者などとも被害金の追跡に向けた仕組みづくりを検討する。

特殊詐欺の被害額は今年3月末時点で約940億円に上り、過去最悪だった昨年を上回るペースで推移。警察官を装う詐欺と投資詐欺が目立つ。

同庁担当者は「被害金の確保や関係者を検挙するチャンスが増える。照会過程で口座を次々凍結することで、悪用可能な口座を減らす効果もある」と期待している。

〔写真説明〕ATMでの現金の振り込み=イメージ

2026年05月28日 12時28分


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