
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)は想定される地震の揺れ(基準地震動)が過小評価されているとして、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の設置変更許可の取り消しを住民ら116人が求めた訴訟の控訴審判決が28日、大阪高裁であった。川畑正文裁判長は規制委の許可は妥当だったと判断。訴えを認めた一審大阪地裁判決を取り消し、住民側逆転敗訴を言い渡した。
訴訟では、基準地震動の策定に当たり、過去の地震データに基づく平均値からのばらつきを考慮する必要があるとした規制委審査ガイドの「ばらつき条項」(2022年6月に削除)に対する考え方が焦点だった。
川畑裁判長は同条項が「平均値に上乗せする必要があるかを検討すべきだ」という意味とは言えないと指摘。関電は、関連するデータを保守的に設定することでばらつきを考慮しているとして、規制委の判断に「不合理な点は認められない」と結論付けた。
一審は20年12月、規制委が平均値に上乗せする必要があるかを検討すべきだったのにしていなかったと判断。基準地震動の策定過程に「看過し難い過誤、欠落がある」として許可を取り消した。
東京電力福島第1原発事故を受けて安全対策を強化した新規制基準に基づく設置変更許可を取り消した初めての司法判断として注目された。
一審判決によると、規制委は17年5月に3、4号機が新規制基準に適合すると認めた。基準地震動は856ガル(ガルは加速度の単位)とした。
規制委の話
引き続き審査を厳正に進め、適切な規制を行っていきたい。
関電の話
安全性・信頼性の向上に努め、3、4号機の運転・保全に万全を期していく。
〔写真説明〕関西電力大飯原発3、4号機の設置変更許可を巡る控訴審の判決後、「不当判決」などと訴える住民ら=28日午後、大阪市北区
〔写真説明〕関西電力大飯原発3号機(右)と4号機=2019年5月、福井県おおい町
2026年05月28日 17時06分