学校安全、不断の取り組み=海外に波及、池田小校長「伝え続ける」



大阪教育大付属池田小学校では2001年の事件以降、不審者対策の訓練を重ね、安全への取り組みを不断に続けている。その精神は海外にも広まり、荒川真一校長は「悲惨な出来事が二度と起きないよう、事件を伝え続けたい」と力を込める。

5月下旬。池田小では、刃物を所持した男が侵入し、授業中の児童らを襲うと想定し訓練が行われた。さすまたを使って男を押さえ込んだり、警察・消防への連絡手順を確認したりした。校舎内には怒号や救助を呼ぶ叫び声が飛び交い、緊張感に包まれた。

訓練は年5回実施され、今回は教職員約35人が参加し、他校の教員や保護者ら約50人も見学に訪れた。「情報共有の声掛けが足りていない」「児童と不審者どちらに対応するか迷った」。振り返りでは、厳しい指摘や反省の言葉が相次いだ。

池田小では09年、「安全科」の授業が新設された。防犯にとどまらず、災害や交通事故対策など安全な学校生活に向けた取り組みを教員と児童が共に考える。事件のあった6月8日は追悼行事に加え、教員全員参加の学習会を開き、事件を振り返る機会を設けている。

今の池田小に事件当時を知る教員はいない。だが荒川校長は「事件の教訓は受け継がれている。事件を風化させず、安全意識を高めていきたい」と話す。

大阪教育大は、池田小の取り組みを広めるべく、14年に独自の認証制度「セーフティプロモーションスクール」を創設。安全推進計画の「策定」「実践」などに指標を設け、今年5月末時点で池田小を含む国内81校が認証を受けた。中国やタイ、英国など海外の64校にも広がっている。

同大の藤田大輔特任教授(安全教育学)は「学校安全に完成はなく、反省と改善の繰り返しが子どもの命を守る。日々の取り組みに不足がないか、常に振り返って考えてほしい」と強調した。

〔写真説明〕大阪教育大付属池田小学校で、刃物を所持した男が侵入し授業中の児童らを襲うと想定した不審者対応訓練=5月25日午後、大阪府池田市

2026年06月08日 14時31分


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