不正防止へ、特例見直しを=エンジェル税制を批判―識者



スタートアップ(ベンチャー)企業への投資に対する税制優遇策「エンジェル税制」を巡っては、2023年度の税制改正で「プレシード・シード特例」と呼ばれる非課税措置が新設された。自社株の売却益からベンチャー企業に投資した金額のうち、最大20億円が非課税となる仕組み。ただ専門家は、同特例は脱税を生み出しやすい構造になっており、「制度を見直さなければ不正はなくならない」と訴える。

同特例は、設立から5年未満で営業損益がマイナスの中小企業など、特に資金繰りが厳しい企業への投資が対象。24年度はエンジェル税制を利用した投資が延べ約7500件、約185億円に上ったといい、経済産業省の担当者は「『制度を利用しやすくなった』と評価の声が上がっている」と強調する。

一方、中央大の国枝繁樹教授(財政学)は同特例について「適用の要件が緩い。形式さえ整えれば、イノベーションが期待される企業以外も投資の対象になってしまう」と指摘。租税回避や節税できるかどうかで投資家が投資先を選択しかねないと懸念する。

最大20億円の控除枠も「あまりにも大きすぎる。高額所得者への税負担が小さいと問題になる中、公平性を損なう制度だ」と指摘。投資をしたことによるベンチャー企業への効果を検証する仕組みがないため、不正を生みやすい構造になっているとしている。

2026年07月23日 20時32分

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