
広島市の松井一実市長と長崎市の鈴木史朗市長は31日、それぞれ記者会見し、8月6日と9日の原爆の日に読み上げる平和宣言の骨子を発表した。国際社会の分断が深まる中、信頼構築や平和への行動を呼び掛け、核兵器廃絶を訴える。
広島平和宣言では、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢を念頭に「大国の横暴な振る舞い」に懸念を表明。5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で成果文書を採択できなかったことに触れ、核廃絶を願う市民社会を「いつまで失望させ続けるのか」と世界の指導者に問い掛ける。
松井市長は「核兵器廃絶を国際社会の常識にすることで為政者の政策転換を促すべく、国内外に強く訴えかける宣言にしたい」と強調した。
長崎の宣言では、緊迫する国際情勢に危機感を示し、すべての国の指導者に向け、多国間主義と「法の支配」を早急に回復するよう要請する。
被爆体験の語り部として活動していた故吉田勝二さんの発言を引用し、核抑止論を批判する。日本政府に対しては、11月に予定する核兵器禁止条約再検討会議への参加や非核三原則の堅持などを求める。
鈴木市長は「相手の立場や苦しみに心を寄せ、分かり合おうと努力しながら行動を起こすよう呼び掛ける」と決意を述べた。
〔写真説明〕記者会見で平和宣言の骨子を発表する広島市の松井一実市長=31日午後、同市
〔写真説明〕記者会見する長崎市の鈴木史朗市長=31日、同市
2026年07月31日 17時18分