
最大震度7を観測した地震で大きな被害を受けた熊本市では、ペットと一緒に寝泊まりできる避難所が被災当日に設置された。専門学校「九州動物学院」が校舎の一部を無償提供した。避難者数減少で既に受け入れは終えたが、利用者からは「本当に安心できた」と感謝の声が寄せられた。
災害時、ペットの鳴き声や臭いを理由に避難所生活を諦める飼い主は多い。そこで同校は10年前の熊本地震の際、ペット同伴可能な避難所を初めて開設した。2021年には運営について市と協定を結んだ。
地震が起きた7月28日の夜に設置された避難所では、獣医師17人が交代で待機してペットの容体変化に対応したほか、学生もボランティアとして活動。避難所には今月2日までに延べ48世帯83人がペットの犬や猫、ウサギと共に避難した。
熊本市の本田浩則さん(61)は地震当日の夜、妻と13歳の愛猫「みかん」と避難所へ駆け込んだ。みかんには当時脱水症状があったが、避難所で安静に過ごして回復したという。
本田さんの自宅は家具の倒壊などで生活できる状態ではなかった。避難所には猫砂や毛布が準備されるなど環境も整備されており、本田さんは「一緒に避難できて良かった。本当に安心できた」と胸をなで下ろした。
避難は市外からも。7歳と8歳の小型犬2匹を連れ、宇城市松橋町から来た高岡朋子さん(30)は車中泊中にSNSで避難所の存在を知った。犬用おやつなどの提供もあり、「このような避難所は周りになく、助かった」と感謝した。
九州動物学院の徳田竜之介理事長は、被災時のペットの熱中症リスクを指摘した上で、「ペットも家族の一員。どんな動物も受け入れるつもりだ」と話した。
〔写真説明〕ペット同伴が可能な避難所に身を寄せる本田浩則さん夫妻と愛猫「みかん」=7月30日、熊本市
2026年08月05日 14時34分