長周期地震動が影響か=細長い建物揺れやすく―日本製紙工場の煙突倒壊・専門家・熊本震度7



今回の地震では日本製紙八代工場(熊本県八代市)で煙突が倒壊して11人が閉じ込められ、9人の死亡が確認された。煙突倒壊はどのようなメカニズムで生じたのか。専門家は八代市付近で観測された周期の長い大きな揺れが、煙突のような細長い建物に影響を及ぼした可能性を指摘する。

気象庁によると、地震動のうち揺れが1往復するのにかかる時間が比較的長いものを「長周期」と呼ぶ。高層の建物などが揺れやすくなる特徴があり、八代市や宇城市で四つの階級のうち最大の4が観測された。

東京都立大の志賀正崇准教授(地盤工学)は長周期地震動が大きくなった要因について「震央から南の方角に向かって断層が破壊され、長周期の揺れも強くなっていった」と説明。震央の南には八代市があり、市内で周期3秒程度の揺れが大きかったことと整合するとの見方を示した。

「細長い建物は一般的に長周期地震動で揺れやすい」と話すのは栗間淳東京大助教(地盤防災)。主に断層が起こした地震の波と地表に生じたずれによって長周期の揺れが形成されたとみており、一般論として煙突倒壊にも関係している可能性があるとの考えを示した。

後藤浩之京都大防災研究所教授(地震工学)は同工場の煙突の中で倒壊したものと、していないものを比較。倒壊した煙突は部材を三角形に組み合わせて支える「トラス構造」が確認されていないとし、「まだ可能性の段階だが、トラス構造のような骨組みがあれば倒壊に至らなかったかもしれない」と推測する。

その上で「今回と類似の地震はどこでも起き得る。工場のような施設はいろいろな設備が複雑に入り組んでおり、全国で点検する必要があるのではないか」と指摘した。

【時事通信社】 〔写真説明〕地震で倒壊した日本製紙八代工場の煙突(左上)=7月29日、熊本県八代市(時事通信チャーター機より) 〔写真説明〕地震で倒壊した日本製紙八代工場の煙突(中央)=7月29日、熊本県八代市(時事通信チャーター機より)

2026年08月05日 07時03分


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