「命の尊さ、伝えていく」=3児亡くした母、事故20年前に―福岡



福岡市で2006年、幼児3人が死亡した飲酒運転事故から20年となるのを前に、3児の母大沼かおりさん(49)が21日、記者会見した。今一番伝えたいのは「命の尊さ」と強調し、「(3児が)この地上に確かに生まれ、幸せに生きていたことを伝えたい」と訴えた。

事故は06年8月25日に発生。福岡市東区の海の中道大橋で一家5人が乗った車が、元同市職員の男が飲酒運転する車に追突され海に転落し、長男紘彬ちゃん=当時(4)、次男倫彬ちゃん=同(3)、長女紗彬ちゃん=同(1)=が死亡した。男は危険運転致死傷罪などで懲役20年の判決を受け、11年に確定した。

「どうして自分は生かされたのか、20年間ずっと問い続けている」と語る大沼さんは、昨年から学校などで講演を始めた。活動を通し、子どもを亡くしたばかりの親と話す機会もあり、「私がずっと苦しんできた20年間が、悲しんでいる人たちの支えになれば」と話す。

今年7月、危険運転致死傷罪の適用要件を「呼気1リットル当たり0.5ミリグラム以上」と明確化する改正自動車運転処罰法が施行された。「日本の飲酒運転に対する意識を大きく変える第一歩」と評価する一方、「被害に遭った家族からすると、0.5という数値は高い」と指摘する。

大沼さんは「(今も)事故が脳裏から離れない」と言葉を詰まらせた。社会から飲酒運転撲滅の象徴的存在として求められることに葛藤もあるが、命の尊さを伝えた先に「飲酒運転はいけないと思えるように働き掛けることはできる」と話し、「紘君、倫君、紗彬ちゃんがこの地上に誕生したことを、生きている限り頑張って伝え続ける」と力を込めた。

〔写真説明〕2006年の福岡3児死亡飲酒事故から20年となるのを前に、記者会見する母親の大沼かおりさん=21日午後、福岡市博多区

2026年08月22日 07時08分


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