
政府の火山調査委員会は16日、噴火警戒レベル3(入山規制)となった北海道の十勝岳について臨時会合を文部科学省で開き、「今後、規模の大きな火山性地震の明瞭な増加が認められた場合には、マグマ噴火が発生する可能性がある」との評価をまとめた。十勝岳で前回マグマ噴火が起きたのは1988~89年で、人的被害はなかった。
清水洋委員長(九州大名誉教授)は記者会見で、「切迫性は分からないが、本格的な噴火が起きる可能性が高まっている」と指摘。その上で「現状では(人的被害があった)62年のマグマ噴火の規模にはならないが、88~89年のような噴火のポテンシャルはある」との見方を示した。
十勝岳は7月22日にごく小規模な噴火が22年ぶりに発生し、8月5、6両日にも同規模の噴火があった。今月12日に規模の比較的大きな地震(マグニチュード=M1.8)が起き、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)から3に初めて引き上げられた。62年の噴火前にはM3.6、88~89年の噴火前にはM2.7の地震がそれぞれ起きていた。
レベル3では火口から約3キロの範囲で大きな噴石の飛散などに警戒が呼び掛けられているが、積雪期に本格的な噴火が起きた場合、より広範囲に影響を及ぼす「融雪型泥流」の発生が懸念されている。気象庁は現状の活動状況のまま積雪期に入ったと判断した場合、レベル4(高齢者等避難)に引き上げる方針。
〔写真説明〕北海道・十勝岳の活動について記者会見する火山調査委員会の清水洋委員長(中央)=16日午後、文部科学省
2026年09月16日 18時51分