
プロ8年目。初勝利をつかみ取った脇元を、ライバルでもある大勢の仲間たちが祝福してくれた。プロテスト合格が一緒で1学年下の原は涙ながらに喜んだ。「体がボロボロなのに勝てて、自分が一番びっくり」。脇元は実感を込めて語った。
今大会前まで、メルセデス・ランキングはシード圏外の58位。苦しんできた要因は腰痛だ。崖っぷちの状況だけに、休養は選択肢になく、練習量を減らしながら試合に臨んできた。治療や薬で痛みを軽減。落ちたショットの飛距離を、使うクラブの番手を工夫してカバーしようとしてきた。
そんな中、好位置で迎えた最終日。「7アンダーで回ろう」と心に決めた。すると前半、3連続を含む4バーディー。首位にいて最終日に崩れたこともあった過去の経験を糧に、「リーダーボードを見ないで集中した」。後半も13番から4連続。18番でのカップに蹴られたボギーはご愛嬌(あいきょう)。目標を完遂した。
かつてはパットの「イップス」に悩み、「私このまま消えてしまうのかも」と泣いた。試練を乗り越えた先の、至福のひととき。この勝利で今季最終戦、JLPGAツアー選手権リコー杯(宮崎CC)の切符も獲得した。宮崎県小林市出身の脇元は、「優勝して宮崎の最終戦に出たいと、ずっと思っていた」。遠回りして、念願がかなった。
【時事通信社】
〔写真説明〕15番、バーディーパットを決めガッツポーズする脇元華=16日、千葉・グレートアイランドC
〔写真説明〕16番、ティーショットを放つ脇元華=16日、千葉・グレートアイランドC
2025年11月16日 18時34分