
九回2死一、二塁。智弁学園のエース杉本は、すねに当たった打球を拾って一塁に投げた。膝を突いたがすぐに立ち上がり、仲間と笑顔に。息詰まる攻防の末に、最後も執念で試合を締めた。
三回に失策も絡んで先制点を与え、走塁のミスもあった。嫌な流れが続いたが「最後は気持ち。全員で勝ち切る」と4番逢坂。全員で鼓舞した。
少ない好機を逃さなかった。六回2死一、三塁で馬場井が左前へ同点打。八回1死二塁では逢坂が低めの変化球を捉えて右翼線へ二塁打を放ち、終盤に勝ち越した。「ここが最後のチャンスだと思った。うれし過ぎた」
これで3試合連続の逆転勝ち。準々決勝の花咲徳栄戦は8点差をひっくり返した。逆境にめげない雰囲気があり、逢坂は「監督にいっぱい怒られてきた。勝ちへの気持ちはどこのチームにも負けない。その気持ちが強い分、チームも強くなる」。控え選手は相手投手のデータを集めて紙にまとめ、対策に貢献。時に熱く、時には冷静に。一丸で勝利をつかんだ。
10年ぶりの春の頂点まであと1勝。杉本は「優勝はあまり考えず、相手をしっかり倒すことだけ」と足元を見詰めた。
【時事通信社】
〔写真説明〕中京大中京に完投勝利し、喜ぶ智弁学園の杉本(左)=29日、甲子園
2026年03月29日 18時09分