世界の敬意集めた伊藤有希=32歳、来季限りで引退―スキージャンプ



ノルディックスキー・ジャンプ女子で、五輪4大会出場の伊藤有希(32)=土屋ホーム=が、2026~27年シーズン限りでの現役引退を表明した。女子ワールドカップ(W杯)が始まった11~12年シーズン以前から国際大会で活躍し、競技の発展にも貢献した。

所属先の監督兼選手で、師匠の葛西紀明譲りの美しい飛型。誠実な人柄で知られ、共に日本チームを引っ張ってきた高梨沙羅(クラレ)が五輪でメダルを獲得すると、自分のことのように喜んだ。高梨は「いつも周りに気を配って、盛り上げてくれる。私にはできないこと」と2学年上の先輩について語る。

北海道下川町出身の伊藤が4歳で競技を始めた時から指導した父克彦さんは「五輪に1度出るだけでも大変なことなのに、4度も出たのはすごいこと」と、まな娘の頑張りを褒める。「親としては、周りから慕われる選手に成長してくれたことがうれしい」とも。23年3月に初開催された女子フライングヒルの国際大会での出来事が印象的だったという。

その大会の出場者を合計得点で決めるシリーズ戦の一つで、伊藤はスタートが遅れる違反を犯し失格。出場圏外に転落すると、各国コーチが国際スキー・スノーボード連盟に伊藤の出場を要望した。SNSでは「Let

Yuki

Fly(有希を飛ばせて)」のハッシュタグが拡散。女子ジャンプ界を支えてきた伊藤に対する敬意が示される展開の末に、出場が実現した。「夢って自分でかなえるものと思っていたけど、誰かにかなえてもらうなんて。本当に感謝の気持ちでいっぱい」と涙を流した。

ラストシーズンは、出場すれば10大会連続となる世界選手権が控える。「最後の一本まで世界一を目指して挑戦する」。伊藤らしく真摯(しんし)にジャンプ台に向き合い、集大成の飛躍を見せる。

【時事通信社】 〔写真説明〕ミラノ・コルティナ五輪のノルディックスキー・ジャンプ女子個人ラージヒル、伊藤有希の飛躍=2月15日、イタリア・プレダッツォ 〔写真説明〕ノルディックスキー・ジャンプ女子のワールドカップで優勝し、喜ぶ伊藤有希=2023年2月、ドイツ・ビリンゲン(EPA時事) 〔写真説明〕ミラノ・コルティナ五輪のノルディックスキー・ジャンプ混合団体で銅メダルを獲得し、涙する高梨沙羅(右)と伊藤有希=2月10日、イタリア・プレダッツォ

2026年05月22日 07時07分


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