誰にでも一流指導=AIが埋める地域格差―スポーツ×技術、開く未来



少子化や過疎化、指導者不足。環境的な要因によって、スポーツで十分な練習機会を確保できない子どもは少なくない。ただ、小学生もタブレット端末やスマートフォンを自在に操るようになった現代。人工知能(AI)が助けとなりそうだ。

「指導者がいないなどの理由で、競技を離れてしまう子どもがいる」。問題意識を抱いていた日本バスケットボール協会では、環境に恵まれない12歳以下の選手を遠隔指導などでサポートするプロジェクトを始めた。第1回となった2025年度は沖縄と鳥取の2県で実施し、今後も全国で展開していく予定だ。

プロジェクトで好評だったのは、ソフトバンクが開発した「AIスマートコーチ」。このアプリでは、誰もが「一流」の指導を受けられる。自らのプレー動画を撮影すると、AIの映像解析によって骨格情報を分析。米プロ協会(NBA)のレーカーズで活躍する八村塁選手ら、用意された手本の動画と比較し、体のどこの動きがどう違うのかをコーチの代わりとなって教えてくれる。

サッカーや卓球など20競技以上のコンテンツが用意され、一部の小学校では体育の授業での導入も始まっている。ソフトバンクの担当者は「誰でもデジタルによって課題が解決できる」。最新技術をトップアスリートのみならず、草の根のレベルにまで広げようという意欲を持つ。

バスケットボール協会の担当者は「できなかったことが可視化され、分かりやすかったという声をもらった。デジタルの力を借りて練習ができることは非常に画期的」と指摘する。公立中学校における運動部活動の地域移行は、いよいよ本格化。少子化対策や教員の負担軽減が目的だが、練習環境に格差が生じる懸念もある。たった一台の電子機器があればいいAIは、こうした状況によくフィットする。

【時事通信社】 〔写真説明〕日本バスケットボール協会のプロジェクトで、AIスマートコーチの使い方を学ぶ小学生=2025年8月、沖縄県糸満市(日本バスケットボール協会提供) 〔写真説明〕ソフトバンクが開発したアプリのAIスマートコーチで、シュートのフォームを手本の映像と比較する様子(ソフトバンク提供) 〔写真説明〕日本バスケットボール協会のプロジェクトで、プレーの映像を撮影してもらう小学生=2025年8月、沖縄県糸満市(日本バスケットボール協会提供)

2026年06月13日 07時04分


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