
欧州でビッグクラブへステップアップする過程で、「中継地点」の役割を担うクラブがある。ベルギー1部のシントトロイデンだ。
ワールドカップ(W杯)北中米大会に臨む日本代表メンバーの大半が欧州でプレーしている。そのうちGK鈴木彩艶(パルマ)、谷口彰悟(シントトロイデン)、冨安健洋(アヤックス)、鎌田大地(クリスタルパレス)、中村敬斗(スタッド・ランス)、後藤啓介(フライブルク)の6人がシントトロイデン所属か、かつて在籍した経験を持つ。大会直前に無念の離脱となった前主将の遠藤航(リバプール)も同様だ。
シントトロイデンは2017年に日本のインターネットサービス大手、DMM.comが経営権を取得。18年にJリーグのFC東京でゼネラルマネジャー(GM)を務めた立石敬之氏が最高経営責任者(CEO)に就任した。立石氏は「ここからは応援団。一ファンとして応援している」と日本代表にエールを送る。
クラブは、日本選手が欧州で飛躍するための足掛かりとなることを理念としている。出場機会を提供し、若手の育成にも力を入れてきた。遠藤、冨安はJリーグから初の欧州挑戦の場としてシントトロイデンを選択。遠藤はドイツ、冨安はイタリアを経て、ともにイングランドの名門へと羽ばたいた。
出場機会を求め、欧州の他クラブから期限付きで移籍したのが鎌田と後藤。鎌田はアイントラハト・フランクフルト(ドイツ)での苦境を打開するために加入。ベルギーで成長し、復帰後は欧州リーグ制覇にも貢献した。21歳の後藤は25~26年シーズンに2桁得点した活躍が評価され、来季はドイツへ向かう。
選手だけでなく、クラブも飛躍のタイミングを迎えている。25~26年シーズンのリーグ戦を3位で終え、初の欧州カップ戦の出場権を獲得した。立石CEOは「(若手を獲る)方針は変えずに、次のW杯メンバーを想定してそろえたい」と話す。
今後の展望として、指導者にも目を向ける。日本の指導者ライセンスが欧州連盟(UEFA)でも有効と認められるようになり、「選手だけでなく監督も育成していきたい」。日本人監督が指揮を執る姿を見ることもできそうだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕スウェーデン戦でプレーする鎌田(手前)=25日、米ダラス(EPA時事)
〔写真説明〕取材に応じるシントトロイデンの立石敬之CEO=6日、千葉県八千代市
2026年06月28日 08時03分