
2021年東京五輪・パラリンピックの開催に合わせて建設されたMUFGスタジアム(国立競技場)。当初は収益性を疑問視する向きもあった大型施設の経営が軌道に乗っている。25年度の売り上げは22億5000万円で、目標の17億円をクリア。運営元のジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメントの社長に昨年就任した竹内晃治氏(61)は、「稼働をしっかりと上げることで収益を上げた」と胸を張る。
竹内氏はプロ野球西武や野球日本代表「侍ジャパン」などで広報業務を担い、西武ドームや横浜アリーナの管理にも携わった経験を持つ。イベント主催者と会場管理者の両方の視点から「全体最適を目指し」、スタジアムの25年度の稼働率は47%(171日)に達した。
サッカーや陸上競技の「聖地」とされ、音楽イベントも行われるMUFGスタジアムには特定のホームチームがない。だからこそ自由度がある。「単に競技をするのではなく、新しい価値を生み続けるスタジアムにしていこう」と意欲的。稼働率を上げるために「多様性を出していかないといけない」と考え、スポーツ大会が少ない平日に企業のフォーラムや国際的な学術会議の誘致を進める方針だ。
大型イベントの開催だけでなく、「日常と接続して、地元の皆さんが利用できるような接点を増やしていきたい」との思いもある。近隣の神社で例大祭が催された際には、みこしの出発式を行った。国のランドマークであると同時に、「地域の顔」になる身近なスタジアムでもあるのが理想だ。
「ここは、携わった人に感動を与えられる場所だと信じている」と竹内氏。五輪とパラリンピックの記憶を残しながら、知恵を絞って活用の幅を広げていく。
【時事通信社】
〔写真説明〕MUFGスタジアムを運営するジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメント(JNSE)の竹内晃治社長=8月26日、東京都新宿区(同社提供)
〔写真説明〕陸上世界選手権東京大会が行われた国立競技場(現MUFGスタジアム)=2025年9月、東京都新宿区
2026年09月26日 07時11分