
野党が10月5日召集予定の臨時国会を前に、高市早苗首相の国会出席が与党主導で削減されかねないと警戒を強めている。与党は衆院の4分の3の議席を押さえている上、今回の自民党役員人事で抜てきされた村井英樹国対委員長らが「効率化」を主眼とする国会改革を訴えているためだ。
「心配になる」。新党「民主改革の会」の国対委員長に就任した後藤祐一氏は25日、村井氏と国会内で初めて国会責任者会談を行い、「行き過ぎた改革」を進めないようくぎを刺した。首相の委員会出席は原則不要にすべきだとする民間シンクタンクの提言を巡るネット記事を村井氏がX(旧ツイッター)で「拡散」していたからだ。
村井氏は拡散について記者団に「関心のある方にご覧いただければという思い。それ以上でもそれ以下でもない」と釈明したが、野党は村井氏の本音が見えたと警戒を解いていない。
野党の懸念の背景には村井氏がかねて「首相は国会より政策判断や外交に時間を割くべきだ」と唱えてきたことがある。閣僚経験のない村井氏が国対トップに起用されたのも、国会嫌いの首相が、質疑の機会を減らしてくれそうだと期待したからではないかとの見方が強い。
実際、村井氏は就任2日後の18日、日本維新の会の遠藤敬国対委員長と会談し、国会の効率化を進めることを早々と確認。遠藤氏は24日、国民民主党の古川元久国対委員長に協力を求め、国会改革の具体策を臨時国会中にまとめ、来年の通常国会で実現を目指すスケジュールを申し合わせた。
先の特別国会では首相が国会出席を渋る場面が多く、衆参の予算委員会の集中審議への出席は計9回、32時間36分にとどまった。2025年通常国会での石破茂前首相の18回、90時間6分の半分以下だ。
野党は臨時国会でこうした傾向に拍車が掛かりかねないと懸念を強めており、立憲民主党の斎藤嘉隆国対委員長は25日、記者団に「首相には大いに国会に出てきて野党の声を聞いてほしい」と強調。「首相出席の機会を減らすことが効率化であれば、全く認められない」とけん制した。
【時事通信社】
〔写真説明〕会談に臨む自民党の村井英樹国対委員長(左)と民主改革の会の後藤祐一国対委員長=25日午前、国会内
2026年09月26日 07時10分