
【ワシントン時事】米上院は9日夜、つなぎ予算案の修正案に関する討論終結動議を賛成60票、反対40票で可決した。修正案の上院通過は確実となった。下院でも可決された後、トランプ大統領の署名により成立する。政府機関の一部閉鎖は解除に向け、大きく前進した。航空便の欠航増加など混乱が広がる中、上院は週末返上で打開へ動いた。今週中の政府再開を目指す。
予算切れにより、先月1日から続く政府閉鎖はこの日、40日目となった。修正案の期限は来年1月末まで。農業や退役軍人関連などの2026会計年度(25年10月~26年9月)歳出法案が含まれ、トランプ政権が閉鎖中に行った政府職員解雇も撤回される。一方、野党民主党が求めていた医療保険制度(オバマケア)への補助の1年間延長は盛り込まれなかった。
民主党上院トップのシューマー院内総務は補助失効で「多くが医療保険を失う」と懸念。多数の民主党議員が反対票を投じた。ただ、一部が職員解雇撤回などを評価し、賛成した。オバマケアへの補助に対しては、トランプ氏がSNSで「保険会社への『棚ぼた』だ」と批判。「直接国民に支給するべきだ」と訴えている。
【時事通信社】
〔写真説明〕米議会議事堂=10月3日、ワシントン(EPA時事)
2025年11月11日 07時34分