
財務省が11日発表した2025年度上半期(4~9月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は前年同期と比べ14.1%増え、17兆5128億円の黒字だった。黒字額は半期としては過去最大で、輸入額が縮小し、貿易収支が黒字に転じたことなどが要因。
貿易収支は494億円の黒字(前年同期は2兆3600億円の赤字)で、21年度上半期以来の黒字となった。原油や石炭などエネルギーの輸入額が減少したことに加え、アジア向けの半導体電子部品の輸出が伸びた。
企業が海外から受け取る配当金や利子の収支を示す第1次所得収支は、前年同期比2.1%増となる22兆2758億円の黒字だった。半期ベースでは過去最大となった。
輸送や旅行などのサービス収支は1兆8603億円の赤字。ネット広告などサービスの取引を示すデジタル関連収支は3兆3492億円の赤字だったものの、訪日客の増加を背景に旅行収支の黒字は3兆3112億円に上り、サービス収支の赤字額は11.3%減少した。
同時に発表した9月の経常収支は4兆4833億円の黒字で、同月としては過去最高。けん引したのは第1次所得収支で、海外子会社の配当金収入が寄与し前年同月比82.3%増の4兆9497億円の黒字だった。
【時事通信社】
〔写真説明〕東京湾岸の国際貨物ターミナル=8月14日(AFP時事)
2025年11月11日 13時42分