自維のずれ、立民揺さぶり=定数削減・企業献金で高市首相防戦―予算委



立憲民主党は10日の衆院予算委員会で、与党内で温度差のある衆院議員の定数削減や「政治とカネ」の問題を取り上げ、足並みの乱れをあぶり出そうとした。日本維新の会が最重視する定数削減では自民党幹部から消極的な発言が出ているが、高市早苗首相(自民総裁)は「両党間に認識のずれはない」と防戦に追われた。

「大変困難だが、実現に向けて努力する。与党間の協議を進めた上で、各党各会派と真摯(しんし)に議論を重ねる」。首相は定数削減について立民の馬淵澄夫代表代行の質問にこう答えた。

首相の意欲とは異なり、自民内の動きは鈍い。鈴木俊一幹事長は9日放送の民放番組で、今国会での定数削減の実現は困難との見方を示した。与党協議はまだ始まっておらず、自民内から今国会では「法案提出までではないか」(関係者)との声も出ている。

維新は自民に連立合意の履行を求めている。吉村洋文代表は8日の民放番組で「臨時国会で議員定数削減(法案)を成立させる」と明言。藤田文武共同代表も別の番組で、野党の反対で定数削減が実現しない場合は「(衆院を)解散すればいい」と挑発した。

立民は「政治とカネ」の問題でも与党を揺さぶった。大串博志前代表代行は、かつて維新が企業・団体献金の原則禁止を訴えていたと指摘。与党として規制強化を決断すべきだと迫った。

首相は「政党の資金調達のあり方について議論していく」と答弁したが、大串氏は「極めて後ろ向きだ」と不満を示した。

国民民主党の森洋介氏は、維新が献金規制を巡り後退した理由について、閣僚がいない維新に代わり、首相に答弁を求めた。首相は「維新の考え方についてコメントする立場にはない。連立合意書に沿って議論を進める」と述べるにとどめた。

【時事通信社】 〔写真説明〕自民党役員会に臨む高市早苗首相(中央)ら=10日午後、国会内 〔写真説明〕衆院予算委員会で野党議員の質問を聞く高市早苗首相=10日午後、国会内

2025年11月11日 07時04分


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