高市内閣、高支持率も参政警戒=両党首、初の本格論戦―参院予算委



高市早苗首相は13日の参院予算委員会で、参政党の神谷宗幣代表と初の本格論戦に臨んだ。報道各社の世論調査で、高市内閣は高支持率の結果が相次ぐものの、地方選では参政の勢いに押される場面も目立つ。保守層という支持基盤が重なる中、自民党は警戒を強めている。

「お金による影響を国会議員が受けてはいけない」。外国人による政治資金パーティー券の購入禁止を巡り、政治資金規正法に罰則規定がないことを問題視する神谷氏に、首相はこう応じた。

神谷氏は、外国勢力のスパイ行為を防ぐための法整備や、外国人の受け入れ規制なども提起。首相の持論でもあることから「目的意識は一緒だ」と迫った。質疑後は記者団の取材に応じ、首相の答弁を「65点だ」と論評した。

首相は、保守的な主張で参政と共通点が多い。自民内には、今後の連携相手と期待する声がある一方、国政・地方選で票を奪い合うとの懸念も根強い。直近だと、9日投開票の東京都葛飾区議選で、自民は10人が当選したものの、トップは参政新人だった。

首相が就任直後の10月26日投開票の宮城県知事選では、参政が全面バックアップした無所属新人が、自民が支援した無所属現職に約1万6000票差まで迫った。同月の京都府長岡京市議選、石川県能美市議選、三重県伊勢市議選でも参政新人がトップ当選した。

高い内閣支持率とは対照的に、自民支持率の回復は緩やかだ。時事通信の11月の世論調査では前月比2.1ポイント増の21.8%。参政は同0.8ポイント減の4.0%だったが、4カ月連続で野党トップを維持し、底堅さを示した。自民の閣僚経験者は「高市氏なら参政の勢いをそげると思ったが、現実は違った」と危機感を隠さない。

歴代内閣を振り返ると、発足直後は高支持率でも、短命に終わるケースは多い。このため、首相周辺からは早期の衆院解散・総選挙を求める声が出ている。

もっとも、政策実現を棚上げした早期解散の選択は、世論の反発を招くリスクもはらむ。「支持率が高いうちに解散した方がいい」。こう進言する側近に対し、首相は慎重姿勢を崩さなかったという。

【時事通信社】 〔写真説明〕参院予算委員会で参政党の神谷宗幣代表(右端)の質問に答える高市早苗首相=13日午後、国会内 〔写真説明〕参院予算委員会で質問する参政党の神谷宗幣代表=13日午後、国会内 〔写真説明〕参院予算委員会で参政党の神谷宗幣代表の質問に答える高市早苗首相=13日午後、国会内

2025年11月14日 07時05分


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