
【ベレン時事】ブラジルで開催中の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)で18日、成果文書の議長草案が示された。産業革命前と比べた世界の平均気温の上昇を1.5度に抑える目標達成に向け、「化石燃料からの脱却」の明記が選択肢の一つとして盛り込まれた。議長国ブラジルは19日にも決定したい考えだが、交渉は難航が予想される。
草案は、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」に基づいて各国が5年ごとに提出する温室効果ガスの削減目標と、実際の排出量には乖離(かいり)があると指摘。年次報告書を作成してその差を検証する仕組みづくりや、対策に関する工程表の策定といった案を盛り込んだ。
中でも、2023年のCOP28で合意された「化石燃料からの脱却」を再び明記するかが焦点。議長国ブラジルのルラ大統領はその必要性を訴えており、産油国をはじめ、具体化を警戒する国の理解を得られるかがカギとなる。これに関連して、日本は、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素やアンモニアなどと組み合わせた化石燃料の利用は効率的として、慎重な立場を取る。
【時事通信社】
〔写真説明〕国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)のロゴマーク=13日、ブラジル・ベレン(EPA時事)
2025年11月19日 09時59分