高市首相、22日G20初出席=新興国との関係強化に重心



高市早苗首相は南アフリカ・ヨハネスブルクで22日から2日間の日程で開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席する。米国が欠席する中、新興・途上国「グローバルサウス」との関係強化に重心を置く。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持を訴え、連携を広げたい考えだ。

首相のG20サミット出席は初めて。21日に日本をたち、24日に帰国する。

G20は参加国全体の国内総生産(GDP)が世界の約8割を占めるなど、経済面で一定の存在感を持つ。欧州主要国に加え、グローバルサウスの代表格であるブラジルやインドも構成国となっており、首相にとっては自らを売り込む好機。政府関係者は「グローバルサウス首脳との関係構築が今回の目的だ」と語る。

会議はトランプ米政権の高関税措置を受けて不確実性が増す世界経済や中東情勢が主なテーマ。議長国の南アフリカが優先課題に掲げる重要鉱物の活用や災害対応の強化についても議論する。

近年、G20は足並みの乱れが目立つ。首相は世界貿易機関(WTO)を中核とする自由で公正なルールに基づく多角的貿易体制の重要性を強調。「力による一方的な現状変更の試み」に反対する姿勢を明確にする。重要鉱物の確保など経済安全保障を重視し、サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化を目指す日本の取り組みも説明する。

滞在中、中国の李強首相との接触を模索する。台湾有事に関する首相の国会答弁を機に日中関係は緊張が高まっており、日本としては事態がエスカレートしないよう意思疎通を図りたい考え。ただ、中国政府は会談設定を否定している。

【時事通信社】 〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=20日午後、東京・永田町

2025年11月21日 07時03分


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