
【ストックホルム時事】今年のノーベル化学賞を受賞する京都大の北川進特別教授(74)が7日午前(日本時間同日夕)、ストックホルムのスウェーデン王立科学アカデミーで公式記者会見した。北川さんは「基礎研究が成果を挙げ、活用されるには25年ほどかかる」とした上で、長期にわたる資金的支援が必要との認識を示した。
受賞理由となった金属有機構造体(MOF)が描かれたネクタイを締めて会見に臨んだ北川さん。日本の研究支援制度に対する認識を問われ、10年間にわたる基金があるとしつつ、「基礎研究が成果を挙げ、社会に活用されるには25年ほどかかる」と指摘。「基礎研究こそ長期の資金が必要だ」と訴えた。
共同受賞者の米カリフォルニア大バークレー校のオマー・ヤギー教授は「MOFによってこれまでにない方法でガスを捉え、濃縮できるようになる」とした上で、「私たちはMOFの時代、ガス経済の時代に生きている」と強調した。
北川さんは会見後、時事通信の単独インタビューに応じ、「ガスのコントロール技術や臭い除去など、(MOFには)まだいろいろな使い方がある」と説明。「石油などの地下資源経済からガス経済に変われば、資源を輸入に頼る日本でもやっていけるはずだ」と話した。
【時事通信社】
〔写真説明〕スウェーデン王立科学アカデミーで記者会見する京都大の北川進特別教授=7日、ストックホルム
〔写真説明〕スウェーデン王立科学アカデミーでの記者会見を終え、共同受賞者のオマー・ヤギー氏(右)と言葉を交わす京都大の北川進特別教授=7日、ストックホルム
〔写真説明〕スウェーデン王立科学アカデミーで記者会見する京都大の北川進特別教授(中央)=7日、ストックホルム
2025年12月07日 21時43分