
【ストックホルム時事】今年のノーベル化学賞を受賞する京都大の北川進特別教授(74)が8日昼(日本時間同日夜)、ストックホルム大で記念講演を行った。自身が開発した金属有機構造体(MOF)の登場により、「固体や液体資源を使う時代から、気体を資源として使う時代に来ている」と聴衆に語り掛けた。
座右の銘としている「無用の用」と題した講演では、まずMOFのような微小な穴が無数にあいた多孔性材料の歴史を概説。アルフレッド・ノーベルが発明したダイナマイトにも、天然の多孔性材料が使われていると紹介した。
一見役に立たないものが、実は役に立つことを表す「無用の用」の概念については、「難しい考え方だが、私に深い感銘を与えた」と説明。MOFの構造について「穴があいて何もないように見えるが、大量に並べると多孔性材料になった」と話した。
【時事通信社】
〔写真説明〕記念講演するノーベル化学賞に選ばれた京都大の北川進特別教授=8日、ストックホルム
〔写真説明〕記念講演するノーベル化学賞に選ばれた京都大の北川進特別教授=8日、ストックホルム
〔写真説明〕記念講演するノーベル化学賞に選ばれた京都大の北川進特別教授=8日、ストックホルム
2025年12月08日 22時30分