
安倍、菅両内閣で歴代最長の約8年9カ月にわたって事務方トップの官房副長官を務めた杉田和博(すぎた・かずひろ)さんが死去したことが分かった。84歳だった。埼玉県出身。関係者が22日、明らかにした。
東大法学部卒業後、1966年警察庁に入り、警備局長、初代内閣情報官、内閣危機管理監を歴任。2012年12月発足の第2次安倍内閣から21年10月に退陣した菅内閣まで、官房副長官として政権を支えた。在職した3205日は歴代最長。17年8月からは事務担当の副長官として初めて、各省庁の幹部人事を一元管理する内閣人事局長を兼務した。
95年のオウム真理教による地下鉄サリン事件では警備局長として指揮を執り、01年の米同時多発テロ時は内閣危機管理監として対応に当たった。
危機管理やインテリジェンス(情報活動)に精通し、副長官時代は「官邸の守護神」の異名も。独自の情報網で霞が関ににらみを利かせる一方、温和な人柄で安倍晋三、菅義偉両首相から厚い信頼を寄せられた。19年の皇位継承や、新型コロナウイルス禍で開催された21年東京五輪・パラリンピックの環境整備などを取り仕切った。22年に旭日大綬章を受章。
【時事通信社】
〔写真説明〕杉田和博さん
2025年12月22日 19時53分