
衆院選での自民党大勝を受け、日の丸を傷つけたり、汚したりする行為を罰する「国旗損壊罪」創設の是非も、特別国会の焦点になりそうだ。高市早苗首相が実現に強い意欲を示し、一部の野党も賛同。一方で、表現や思想・良心の自由を制限しかねないとして慎重論も根強い。
「外国国旗を汚したり、破ったりしたら、拘禁刑を受けるかもしれない。でも、日本国旗はどう扱ってもいい。それはおかしい」。衆院選公示日の先月27日、首相は東京都内の街頭演説でこう訴えた。
刑法92条は、侮辱する目的で外国国旗を損壊した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すと定める。しかし、日本国旗に関する規定がないため、首相は「いずれの国旗も平等に尊重されるべきだ」と問題視。2012年には、自ら旗振り役となって日の丸も対象に加える議員立法を国会に提出したが、廃案となった。
こうした経緯を踏まえ、昨年10月の自民党と日本維新の会の連立合意には「26年通常国会で『日本国国章損壊罪』を制定し、外国国章損壊罪のみ存在する矛盾を是正する」と明記された。
参政党も昨年の臨時国会に同様の刑法改正案を参院に提出。与党はなお参院で過半数に満たないものの、参政と連携すれば法改正が実現する可能性が出てきた。
日本国国章損壊罪を巡っては、政府批判や芸術表現を目的とした場合も「侮辱目的」と見なされる可能性がある。このため、憲法19条の「思想・良心の自由」、同21条の「表現の自由」に反するとの批判は絶えない。
国民民主党の玉木雄一郎代表は15日のフジテレビ番組で「内心の自由は最も尊重されなければならない権利だ」として慎重な議論を訴えた。
外国国章損壊罪は「外国政府からの請求」が要件。学界などでは、日本が他国と円滑な外交関係を結ぶために設けられたとの説が有力で、立法の根拠としては弱いとの指摘もある。自民党ベテランは「現時点で、国旗損壊罪を制定しなければならない必然性はない」と言い切った。
【時事通信社】
〔写真説明〕第2次高市内閣が発足し、記者会見に臨む高市早苗首相=18日、首相官邸
2026年02月22日 19時00分