代替関税、発表翌日に上乗せ表明=敗訴で焦り、影響力誇示―トランプ米大統領



【ワシントン時事】トランプ米大統領が21日、全世界に対する一律関税の上乗せを打ち出した。米連邦最高裁から違憲判決を突き付けられた相互関税の代替策として、10%関税を24日に導入するための布告に20日署名したばかり。わずか1日での15%への関税強化表明には、失地挽回に向けて自らの影響力を誇示したい思惑と焦りが透ける。

最高裁判決の焦点となった国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税措置は即座に発動できるため、トランプ氏は他国に対する「ディール(取引)」や脅しに乱用してきた。だが、敗訴確定でこれらは利用できなくなり、交渉力の低下は免れない。

米政権が昨年8月に発動した69カ国・地域に対する相互関税の税率は10~41%。最も高いシリアの41%など、10%を上回る国が大半だ。日本や欧州連合(EU)などの15%が半数超を占める。

代替策として当初発表した10%の一律関税では、こうした国にとって税率の引き下げとなり、米政権の影響力が薄れることになる。主要国からは関税緩和を歓迎する声が上がり、フランスのマクロン大統領は「現状に比べて限定的」などと語っていた。

日本にとっては15%の相互関税の適用がなくなる一方、一律関税の上乗せ発動で15%が課されることになりそうだ。

また、財政悪化が著しい米政府にとって、関税は大きな財源にもなっており、相互関税に比べて税率が下がる国が多い分、減収は痛手となる。関税収入を原資とした国民への現金給付を視野に入れてきたが、実現は見通せない。

トランプ氏は21日にSNSで、最高裁判決を再び蒸し返し「ばかばかしく稚拙で極めて反米的」とこき下ろし、一律関税を引き上げ、別の新たな関税を数カ月内に導入すると宣言。「トランプ関税」の継続性を強調した。秋の中間選挙を見据え、政権への打撃を振り払おうと躍起になっている。

【時事通信社】 〔写真説明〕米ホワイトハウスで記者会見するトランプ大統領=20日、ワシントン(EPA時事)

2026年02月22日 19時01分


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