
25日の参院予算委員会の集中審議で、野党はトランプ米大統領が求めたホルムズ海峡を巡る「貢献」への対応を、高市早苗首相に再三ただした。首相は、自衛隊派遣の法的なハードルが高いことを意識し、詳細に踏み込まなかった。守りの答弁に終始する姿勢に、野党は強く反発した。
「外交上のやりとりだ。差し控えさせてほしい」。自衛隊派遣に関し、首相は先の日米首脳会談でトランプ氏に説明した「法律の範囲内でできることとできないこと」の内容を問われ、こう繰り返した。
立憲民主党会派の広田一氏が「具体的にどういうことなのか」と食い下がると、首相は「できること」の一般論として、船舶護衛のための海上警備行動発令や遺棄機雷の除去を列挙。ただ、最後まで「時々刻々と情勢が変化している。現時点で予断を持って答えることは困難だ」などと言質は与えなかった。
立民の田島麻衣子氏は「米国のウォルツ国連大使が『日本は自衛隊派遣を約束した』と言っている」と追及した。首相は「支援を約束したことはない」と火消しを図った。
憲法や国内法の制約により、戦闘収束前の自衛隊派遣は困難との見方が強い。首相の慎重な答弁ぶりについて、政府関係者は「今、日本の貢献を話しても意味がない。仮定の話になってしまう」と擁護した。
首相は昨年の臨時国会で、台湾有事が「存立危機事態」に該当する可能性に言及。日中関係の悪化を招いた経緯がある。2026年度予算案の参院審議もヤマ場を迎える中、自民党内からは「野党の細かい議論に乗らない方がいい」(中堅)との声が漏れる。
消化不良に終わった野党側は不満を隠さない。広田氏は参院予算委で、日米首脳会談での説明内容を文書で報告するよう要求。共産党の山添拓氏も「トランプ氏に説明しながら、国会で一切語ろうとしないのはおかしい」と断じた。
【時事通信社】
〔写真説明〕参院予算委員会で答弁する高市早苗首相(右)=25日、国会内
〔写真説明〕参院予算委員会で質問する立憲民主党会派の広田一氏=25日、国会内
〔写真説明〕参院予算委員会で質問する立憲民主党の田島麻衣子氏=25日、国会内
2026年03月26日 07時04分