
【カイロ、ワシントン時事】イラン軍中央司令部は20日、原油輸送の要衝ホルムズ海峡を封鎖すると主張した。イスラエル軍がレバノン南部で戦闘を続け、米国がイランと交わした覚書に違反したためだと説明した。イランメディアが伝えた。
米イラン協議を仲介するパキスタン外務省によれば、スイス中部ビュルゲンシュトックで21日、最終合意に向けた実務者協議が行われる予定。これに先立ちイラン側は「ホルムズ封鎖」のリスクを示し、米側に圧力をかけ交渉を主導したい思惑があるとみられ、協議が難航する可能性もある。
イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」は声明で、「ホルムズ海峡に接近すれば、危険にさらされる」と警告した。ただ、米中央軍は20日、同海峡の安全な通航は維持されていると強調。商船55隻が同日通過し、石油1700万バレル以上が輸送されたと発表した。
米国とイランが合意した覚書では、レバノンを含む全ての戦線での戦闘終結が定められている。しかし、イスラエル軍はレバノン南部に駐留を続け、親イランのイスラム教シーア派組織ヒズボラと攻撃の応酬を継続。19日に双方の停戦が発表されたが、イスラエル軍は20日もレバノン南部を空爆した。同国保健省は同日、イスラエル軍の19日の攻撃で83人が死亡し、イスラエルとヒズボラの衝突が再燃した3月以降の死者が4000人を超えたと発表した。
スイス外務省は20日、ガリバフ国会議長率いるイラン代表団が米国との協議に出席するためスイスに到着したとX(旧ツイッター)で明らかにした。バンス米副大統領も同日、スイスに向け出発。記者団に、滞在は1日か2日になると述べ、核問題とレバノンでの停戦に関する進展に期待していると語った。
【時事通信社】
〔写真説明〕イスラエルの空爆を受けたレバノン南部の村=20日(AFP時事)
2026年06月21日 07時22分