高市氏、省庁再編に意欲=非核三原則を部分修正―上川氏、11日表明・自民総裁選



自民党の高市早苗経済安全保障担当相(63)は9日、国会内で記者会見し、党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を正式に表明した。国民や領土、国家の主権を「守り抜く」とし、防衛力や経済力、技術力、情報力を高めると強調。その一環として「令和の省庁再編に挑戦する」と意欲を示した。今回の総裁選への出馬表明は7人目で、女性は初めて。

上川陽子外相(71)は、20人の推薦人確保にめどを付けた。陣営関係者が明らかにした。11日に出馬会見を開く。

高市氏は「厳しい環境変化の中で複雑な問題が生じている」と指摘。今後の再編の一例としてインテリジェンス関係省庁の司令塔となる「内閣情報局」、閣僚らで構成する「内閣情報会議」の設置を掲げた。復興庁の所管に東北地方以外の被災地を加えるとし、「情報通信省」や「環境エネルギー省」への組織改編も打ち出した。

防衛力強化に関しては、無人機や極超音速兵器、自律型AI兵器の進展に触れ、「新たな戦争の態様に対応できる国防体制を構築する」と語った。「核の傘」を含む米国の「拡大抑止」が日本の安保の柱となっている現状を考慮し、非核三原則のうち「持ち込ませず」について「(見直しを)議論しなければならない」と訴えた。

派閥裏金事件による深刻な政治不信を踏まえ、「首相と閣僚の給与を廃止する」と宣言した。首相と閣僚は国会議員歳費に上乗せして給与を受け取る形となっており、廃止するとしたのはその分とみられる。

焦点の政治資金の透明化に関しては「(党が)公平な配分をし、使途の公正性を徹底的にチェックする仕組みをつくる」と述べるにとどめた。また、事件に関与した議員を選挙で公認しないとする考え方について「決着した処分をちゃぶ台返ししたら独裁だ」と否定的な立場を示した。

高市氏は小泉進次郎元環境相(43)らが提唱した解雇規制緩和に「反対だ」と明言。選択的夫婦別姓制度に関しては旧姓の通称使用を拡大する法案の成立を目指すとし、「残る問題点があれば議論しなければならない」と述べた。消費税減税については「今すぐ引き下げることは考えていない」としつつ、経済危機に陥った場合の対応として「弾力的な運用はあり得る」との見解を示した。

総裁選を巡っては既に石破茂元幹事長(67)や小泉氏らが立候補を正式表明。加藤勝信元官房長官(68)は10日に出馬会見を開く。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見で自民党総裁選への立候補を表明する高市早苗経済安全保障担当相=9日午後、東京・永田町

2024年09月09日 23時56分


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