
【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は5日、米国のベネズエラ攻撃とマドゥロ大統領拘束を巡って緊急会合を開いた。出席者からは米国の国際法違反を懸念する声が相次いだ。ただ、理事国の多くは米国の名指しや「非難」という言葉の使用を避けるなど、歯切れの悪さが目立った。
ベネズエラのモンカダ国連大使は「責任を果たし、行動を」と安保理に要求した。マドゥロ政権と友好関係にあるロシアや中国も米国を強く非難し、マドゥロ氏の解放を求めた。しかし、米国が拒否権を持つ中で法的拘束力がある非難決議を採択することは事実上不可能で、安保理としての具体的な行動は今後も見通せない状況だ。
理事国からはコロンビアのザラバタ国連大使が「一方的な武力行使に正当性は一切ない」と明確な批判を展開。「常任理事国が国際法に違反するなら、この理事会の役割は何なのか」と疑問を呈した。会合に出席したキューバやイランの代表からも強い非難の言葉が続いた。
一方、理事国の英国やラトビアは米国による攻撃には触れず、マドゥロ政権が「不正な政権」だったとの立場を強調。「いかなる状況でも国際法と国連憲章の原則を尊重する必要がある」(ラトビア)と述べるにとどめた。
フランスの代表は「マドゥロ氏拘束につながった軍事作戦は平和的紛争解決の原則に反する」と一歩踏み込んだ。ただ、米国を名指しすることはなく「常任理事国による国際法違反は国際秩序の根幹を揺るがす」と遠回しに批判した。
トランプ米大統領が領有に意欲を示しているグリーンランドを有するデンマークのラッセン国連大使は軍事行動について「危険な前例を作る」と警告。「国境の不可侵は交渉の対象ではない」と訴えた。
米国のウォルツ国連大使は「合法的な法執行」だったとトランプ政権の主張をなぞった。会合後にはX(旧ツイッター)で、多くの国連加盟国がマドゥロ政権を違法と認識してきたと指摘し、「批判するのではなく、トランプ大統領に感謝すべきだ」と投稿した。
【時事通信社】
〔写真説明〕5日、米国によるベネズエラ攻撃とマドゥロ大統領拘束を巡り開かれた国連安全保障理事会の緊急会合=ニューヨーク(ロイター時事)
2026年01月06日 15時28分