
片山さつき金融相は2日までに時事通信の単独インタビューに応じ、最先端AI(人工知能)モデルによってシステム上の脆弱(ぜいじゃく)性が大量に発見された場合に備え、「金融機関はどの順番でシステムを修正するか、優先順位を決めておく必要がある」と強調。先進7カ国(G7)でもこうした「基準」について議論し、サイバー攻撃に連携して対処する意向を明らかにした。
米新興アンソロピックが開発した「クロード・ミュトス」などの最先端AIは、システムの脆弱性を発見する能力が格段に高いとされる。片山氏は、3メガバンクなどの金融機関にアクセス権が付与されるよう、米国との交渉を進めてきた。
片山氏は、金融機関が脆弱性に対し、一律に全て対処するのは難しいとの認識を示した。その上で、預金流出やマネーロンダリング(資金洗浄)対策など、重要度の高い分野を事前に特定しておくべきだと強調した。
AI開発を巡っては、アンソロピックのほか、グーグルを傘下に置くアルファベット、対話型AI「チャットGPT」を手掛けるオープンAIの米3社がしのぎを削る。一方、中国勢が追い付くのも時間の問題とされる。
片山氏は「技術水準に差があることは事実。(米国を頂点とする)ヒエラルキーが固まってしまっている」と説明。ただ、中国勢が後発モデルを公開すれば、サイバー攻撃に悪用される可能性も高まると見ており、日米欧で連携して対抗する必要性に言及した。G7財務相・中央銀行総裁会議などで米欧の橋渡し役を担いたい考えだ。
金融庁としても、最先端AIモデルを活用し、金融機関のサイバー攻撃対策訓練などを検討する。「国家サイバー統括室とも相談するが、金融業界が他業界に先駆けてやることはあり得る」と述べた。
〔写真説明〕インタビューに応じる片山さつき金融相=6月29日、金融庁
〔写真説明〕インタビューに応じる片山さつき金融相=6月29日、金融庁
2026年07月03日 08時10分