【ワシントン時事】米FOXテレビは11月30日、共和党のデサンティス・フロリダ州知事(45)と、民主党のニューサム・カリフォルニア州知事(56)による異例の討論会を開催した。いずれも巨大な州を治める両党の「スター」。将来の大統領候補に数えられ、互いをライバル視する2人が、経済や教育、治安問題を巡って激論を交わした。
両知事は、あらゆる面で対照的な州統治の手法を採る。保守派のデサンティス氏は、リベラル派のニューサム氏を「犯罪者に甘い」「州人口を減らした知事」などと攻撃。ニューサム氏は、デサンティス氏の政策が女性や人種的・性的少数派に差別的だと指摘し、「1960年代以前に時計の針を戻そうとしている」と応戦した。
デサンティス氏は来年の大統領選に立候補しているが、党指名レースではトランプ前大統領(77)に支持率で大きく水をあけられている。今回指名を獲得できずとも、若さや選挙戦で培った知名度を武器に、2028年大統領選の有力候補となる可能性は残る。
一方、ニューサム氏は来年は出馬しない意向を示し、バイデン大統領(81)の再選を強く支持している。だがメディアへの露出は怠らず、10月には中国を訪問して習近平国家主席との会談を実現するなど、「バイデン後」への野心は隠さない。
来年の大統領選では、バイデン氏とトランプ氏が再び相まみえる公算が大きい。若き知事2人の対決に注目が集まるのは、有権者の多くが望まない「高齢者対決」への不満の裏返しと言えそうだ。
〔写真説明〕米共和党のデサンティス・フロリダ州知事(左)と民主党のニューサム・カリフォルニア州知事(AFP時事)
2023年12月01日 16時13分